4価髄膜炎菌ワクチン

髄膜炎菌とは

 髄膜炎菌は、健康な人も持っている最近で、誰でも感染する可能性があります。
 髄膜炎菌は、まわりを莢膜(きょうまく)という厚い膜に覆われた細菌で、ヒトの免疫機能によって排除されにくく、体内で増殖しやすい特徴があります。莢膜を持つ細菌には、他にヒブ(Hib:インフルエンザ菌b型)や肺炎球菌などがあります。
髄膜炎菌は健康な人の鼻やのどの粘膜に存在しています。人から人へ咳やくしゃみによってうつり、鼻・のど・気管の粘膜などに感染します。

髄膜炎菌感染症(IMD)の主な症状

 熱や頭痛、吐き気など、最初は風邪に似た症状をしめします。
その後、急に悪化し、たった数日で意識がなくなることもあります。
 侵襲性髄膜炎菌感染症(IMD)の発症初期は、風邪に似た症状のため、診断が難しく、早期に適切な治療を受けにくい病気です。髄膜炎菌は、健康な人の鼻やのどの奥にも存在することがありますが、体力が低下している時や、免疫系の疾患などがある場合には、血液や髄液に菌が侵入し、その結果、菌血症や敗血症、髄膜炎になることがあります。
発症後12時間以内は発熱、頭痛、吐き気など風邪のような症状ですが、発症後13〜20時間ごろには皮下出血や発疹が出たり、息が苦しくなったり、光を異常にまぶしく感じるなど、普段とは違った症状が起こりはじめます。そのまま放っておくと意識がなくなったり、けいれんを起こし、命に関わる状態になってしまうこともあります。

髄膜炎菌感染症(IMD)の特徴

気づきにくい

 はじめの症状が風邪に似ているので、自分では判断しにくい。

進行が早い

 症状の進みが早く、たった1-2日で命に関わる状態になってしまう。

死亡率が高い

 後遺症が残る確率も高い。

予防法について

 髄膜炎菌感染症は、ワクチンで防ぐことができる病気です。日本でも2015年5月から、髄膜炎菌ワクチンの接種ができるようになりました。侵襲性髄膜炎菌感染症(IMD)は0〜4歳の乳幼児、10代後半の思春期に感染するリスクが高いことが分かっているので、早めに接種しておくことで感染リスクの高い時期を乗り越えることができます。日本脳炎ワクチンの標準的な定期接種対象年齢の3〜5歳(追加接種9歳)頃に合わせて髄膜炎菌ワクチンの接種を検討しましょう。また、思春期でワクチンを打つタイミングを迷っているお子さんの場合は、接種を忘れないように、DT(2種混合)ワクチンを接種する11歳頃に合わせて髄膜炎菌ワクチンの接種を検討しましょう。

接種時期について

 春休みや夏休み、入学前などの集団生活が始まる前や海外渡航の前に検討しましょう。
寮や合宿などの集団生活、髄膜炎菌が流行している地域への渡航は特に感染のリスクが高くなります。

  • 日本脳炎ワクチンの標準的な定期接種対象年齢の3〜5歳(追加接種9歳)頃
  • DT(2種混合)ワクチンを接種する11歳(小学校6年生の間)頃
  • 春休み、新学期・新しい集団生活が始まる前
  • 外出や集団での活動機会が増える夏休み
  • 海外渡航、海外留学の前


接種料金


ページの先頭へ