自動エンザイムイムノアッセイ装置(AIA-360)導入のお知らせ
自動エンザイムイムノアッセイ装置(AIA-360)を導入しました。
この測定装置の導入により、甲状腺機能検査(FT3、FT4、TSH)が院内で行えるようになりました。
甲状腺ホルモンにはFT3(Free T3)、FT4(Free T4)の2種類があり、この2つは基本となる構造にヨードがいくつ結合しているかによって分けられています。T3はヨードが3個結合しており、T4には4個結合しています。甲状腺から分泌された甲状腺ホルモンのほとんどはタンパク質と結合しますが、極微量の遊離型(Free)はタンパク質と結合しません。これらが血液中を流れますが、最終的に臓器に作用するのは遊離型のホルモンです。血液に含まれるその量を調べることで甲状腺ホルモンの過不足を正確に知ることができます。
甲状腺から分泌される遊離型ホルモンのほとんどはT4ですが、一部のT4が肝臓などの臓器によりT3に作り変えられます。T4はホルモンとしての力が弱く、T3が甲状腺ホルモンとしての細胞の働きを変える作用を持っています。そのため、甲状腺ホルモンを作る能力はFT4を、甲状腺ホルモンの全身への作用についてはFT3を調べることで把握できます。
TSHは甲状腺を刺激する作用を持つホルモンで、脳下垂体から分泌されています。脳下垂体は甲状腺の働きをコントロールする役割を担っています。甲状腺ホルモンの量を脳下垂体は常に監視しており、わずかな甲状腺ホルモンの過不足を検知するとTSHの分泌量を調整します。こういったことからTSHを測定することで、甲状腺ホルモンの過不足がわかるのです。FT3、FT4ではわずかな変化を捉えにくいため、TSHの測定は甲状腺ホルモンの過不足を詳しく知るのに役立ちます。