診察の技術について

 皆さんは診察の技術について考えられたことはおありでしょうか。「技術」とは英語では「art」と訳されます。技術といいますと、ついああいう検査、こういう先端技術というテクニックばかりが思い浮かびますが、医療には目に見えない、分かりにくい技術というものがあります。

 たとえばある症状やデータをみたときに、我々医者は鑑別診断という作業を行います。ある身体所見、訴え、画像所見やデータから考えられる疾患を列挙し、その中から振り分けをし、正しい診断に結びつけていく作業です。これは地道な作業ですが、診断には欠かせない技術です。最初にあげる鑑別診断のリストがいい加減なものであれば、当然取りこぼしが出てきます。いろいろな血液検査や画像の検査はこの鑑別診断を正確にするために施行されます。診断が正確につけば、おのずと治療の方向性は決まっていくわけです。鑑別診断のリストを的確にあげることができる、というのは目には見えず、派手さも無いのですが、とても大切な技術です。

 我々が画像の読影の技術を勉強したり、検査の手技に磨きをかけるのは、この診断を正確につけるための手段です。検査を受けられる方にとっては、検査は楽な方がいいに決まっていますし、検査は非侵襲的(体に負担が少ない)で、数が少ない方が経済効率もいいと思います。検査や治療の手技を磨くということはとても大切なことです。それと同様に派手さはないのですが、しっかりと鑑別診断のリストを作成し、正確な診断を行っていく、というのも大切な技術です。冒頭で、技術はartと英語で訳される、というお話をしましたが、artistic(芸術的)と言われるような診察技術を身につけたいと常に思っています。丁寧に診察をしたり、お話を伺うことによって無駄な検査をしなくてすむケースは多々あります。みたり、さわったり、聴いたりするだけでわかる疾患も多々あります。逆に検査をしないと分からないような疾患も多々あります。その境界を見極めていくのも大切な技術です。

 患者さんには現時点での最高水準の医療を受ける権利があると私は考えています。そのために常に文献に基づいて根拠のある医療を提供していこうと日々心掛けているつもりです。

 話は少し変わりますが、当院がインターネットや電話で予約できるシステムを導入しているのには理由があります。それはもちろん待ち時間をなるべく少なくして、効率のよい診療を行いたいという理由もありますが、誰が来院されるということがあらかじめ分かっていれば、我々医療スタッフはあらかじめ来院される予定の患者さんについて予習しておくことができます。予習することによって、より高水準の診療ができると考えており、これが予約システムの最大の利点と考えています。

磯村 幸範


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診療科目

内科・小児科・消化器内科・循環器内科・糖尿病内科・内分泌内科・リウマチ科
(心療内科・精神科は2020年9月末で閉科しました)

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